M5StackやSeeed studioのIoT機器で使われるGroveコネクタに関する仕様情報を整理したページです。

Groveコネクタとは

Groveコネクタは、Seeed studioが提唱するIoT機器向けのコネクタ規格です。
端子は4ピン(信号1、信号2、Vcc、GND)、2mmピッチです。
各種センサーとのアナログ入出力、I2CやUART等のデジタル通信インタフェースとして幅広く使えます。

Groveコネクタを使うことで、はんだ付けやブレッドボードで配線する手間を省けます。

コネクタ形状

HYコネクタ互換

Groveのコネクタ形状は、HYコネクタ互換です。
2mmピッチ、4ピンなので「HY2.0-4P」とも表記されます。

HYコネクタのオリジナルメーカーは、おそらく中国Deli connectorsです。
DL20005 (HY Series)

オリジナルのHYコネクタは、ハウジング(オス側)にツメ(抜け防止ロック)が付属しています。
しかし、一部のマイコンボードに搭載されたGroveコネクタでは、ツメがついたコネクタが入らない場合があります。その場合は、ニッパー等でハウジング側のツメを切り取ってください。

ツメ有は「buckled」、ツメ無は「unbuckled」と呼ばれています。

PHコネクタ非互換

Groveコネクタは、JSTのPHコネクタとは非互換です。
PHコネクタも2mmピッチで、外径も似ていますが、Groveコネクタには使えません。

M5Stackの商品説明で、Groveコネクタが「PH2.0-4P」と誤表記されていた時期があったため、広がってしまった誤解だと思われます。
Groveコネクタとは非互換ですが、PHコネクタは電子工作分野でポピュラーな規格のひとつです。Groveコネクタと似たコネクタ規格であるAdafruitの「STEMMAコネクタ」はPHコネクタを採用しています。

参考:
PHコネクタ-JST(日本圧着端子製造)
What is STEMMA? | Adafruit

デュポンワイヤー非対応

Groveコネクタはピンピッチ2mmのため、ブレッドボード等で広く使われるピンピッチ2.54mmのジャンパーワイヤー(デュポンワイヤー)は刺さりません。

ピン配列

すべてのモジュールがGroveコネクタの標準的な仕様に準拠しているとは限りません。
機器を接続する前に、対応する電圧やピン配列を確認したうえでご使用ください。

Seeed studioが規定するピン配列と配色は以下の通りです。
ピン1:黄色。通信用。(原則3.3V)
ピン2:白。通信用。(原則3.3V)
ピン3:赤。電源(5Vもしくは3.3V)
ピン4:黒。GND。

M5Stack版のGroveケーブルでは、ケーブルの配色が異なり、白黄赤黒です。

電圧

信号線は3.3V、電源は5Vもしくは3.3Vが一般的です。
機器によって異なるため、必ず個別にご確認ください。

アナログ入出力

ピン1がメインのアナログ入出力、ピン2は予備です。

デジタル出力

ピン1がメインのデジタル入出力、ピン2は予備です。

UART

ピン1:Rx
ピン2:Tx
ピン3:Vcc
ピン4:GND

I2C

ピン1:SCL
ピン2:SDA
ピン3:Vcc
ピン4:GND

Groveコネクタ対応機器

ほとんどのM5StackやSeeed Studioのマイコンボードでは、Groveコネクタが標準搭載されています。
ArduinoやMicro:bit、Raspberry PiでGroveコネクタを使うための拡張部品も展開されています。

参考

Grove Ecosystem Introduction | Seeed Studio Wiki