OKdoが製造するRaspberryPi 4B代替のSBC「ROCK 4C+」の製品仕様に関する日本語情報です。

概要

ROCK 4C+は、Raspberry Pi 4Bと同じクレジットカードサイズのフォームファクタのSBC(シングルボードコンピュータ)です。高い処理能力と幅広い拡張性があり、ホビー用途だけでなく、高い信頼性が求められる業務用機器にも最適です。ROCK 4C+のメモリ容量は4GBが標準です。今後、メモリ容量のバリエーション展開も予定しています。


※製造時期によって部品配置や基板レイアウトが変更となる可能性があります。ただしコネクターの搭載位置やサイズは今後も踏襲する予定です。

特徴

ハードウェア

  • SoC: Rockchip RK3399‑T
    • Armのbig.LITTLEアーキテクチャを採用したヘキサコア(6コア)構成
    • 2コア Cortex A72 @1.5GHz + 4コア Cortex A53 @1.0GHz
    • 2コア Cortex M0
  • GPU: Arm Mali T860 MP4、下記APIをサポート
    – OpenGL ES 1.1 /2.0 /3.0 /3.1 /3.2
    – Vulkan 1.0
    – Open CL 1.1 1.2
    – DirectX 11.1
  • メモリ: Dual channel 4GB 64bit LPDDR4
  • ストレージ: microSDカードスロット、eMMCコネクター
  • ディスプレイ: micro HDMI x2(拡張モードおよびミラーモードに対応)、MIPI DSI
  • H.265/VP9 (HEVC) ハードウェアデコード対応 (最大4K/60p)
  • H.264 ハードウェアデコード対応(最大1080p60fps)
  • 電源:USB Type‑C

インタフェース

  • Gigabit Ethernet x1(PoE HATオプションあり)
  • WiFi: 802.11 b/g/n/ac
  • Bluetooth 5.0 (BLE)
  • microSDカードスロット
  • micro HDMI x2(4K60p対応)
  • USB2.0 x2
  • USB3.0 x2(1ポートはUSBホスト/OTG切替可能)
  • MIPI CSI 2レーン(カメラ入力用)
  • MIPI DSI 4レーン(映像出力用)
  • GPIO 40ピン。下記の各種インタフェースに対応。
    • UART x2
    • SPI x2
    • I2C x2
    • PCM/I2S x1
    • SPDIF x1
    • PWM x1
    • ADC x1
    • GPIO x6
    • 5V電源(本体電源と共有) x2
    • 3.3V電源出力 x2

ソフトウェア

  • Arm v8-A ISA、NEON拡張(Advanced SIMD)
  • Arm v8 Cryptography extensions
  • Arm TrustZone
  • Debian/Ubuntu Linux対応
  • Android 7.1/Android 9.0/Android 10/Android 11対応
  • Caffe等、GPUを使ったAI処理に対応
  • Linux/Android向けハードウェア制御ライブラリ

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本体寸法

基板の外形寸法は、Raspberry Pi 4Bと同じく85mm x 56mmです。

電気的特性

電源の要求スペック

Radxa ROCK 4C+は5V電源で駆動します。
USB Type-CもしくはGPIOから電源を供給してください。
GPIOの2番と4番は5V電源系統とつながっており、外部出力用にも使えます。
安定動作のため、5V/3A以上の電源を推奨します。

GPIO電圧

GPIO電圧耐圧
GPIO3_C03.3V3.465V
ADC_IN01.8V1.98V
その他3.0V3.14V

動作条件

Radxa ROCK 4C+は周辺温度範囲:0℃〜50℃での動作を想定して設計されています。

処理内容に応じて最適なプロセッサコアを自動的に切り替えるArm big.LITTLEアーキテクチャにより、発熱の低減と高速処理を実現できます。

Radxa ROCK 4C+は高性能なモバイル機器向けSoCを採用しており、バッテリー駆動時など電源容量が限られた環境でも長時間動作できます。たとえばテキスト編集や音楽再生など負荷が軽い処理のときは省エネ性能に優れたコアやハードウェアアクセラレーターを活用し、高性能コアを寝かせておくことで発熱を低減できます。

ROCK 4C+のSoC(RK3399‑T)はサーマルスロットリング機能を搭載しています。SoCの内部温度が80℃を超えると動作クロックを落として発熱を抑えます。常に高い処理性能が求められる用途で使う場合はヒートシンクや空冷ファンなど冷却装置を追加してください。SoC内部温度を80℃以下に維持できればサーマルスロットリングを回避できます。

ペリフェラル(周辺機器)

GPIOインタフェース

Radxa ROCK 4C+は40ピンのGPIO拡張ヘッダーを搭載しています。Raspberry Piと同じピン配置となっているため、SBC用に開発された様々なアクセサリーと互換性があります。

端子番号GPIO番号GPIO機能1機能2
1+3.3V
371GPIO2_A7I2C7_SDA
572GPIO2_B0I2C7_SCL
775GPIO2_B3I2C7_CLK
9GND
11146GPIO4_C2PWM0
13150GPIO4_C6PWM1
15149GPIO4_C5SPDIF_TX
173.3V
1940GPIO1_B0SPI1_TXDUART4_TXD
2139GPIO1_A7SPI1_RXDUART4_RXD
2341GPIO1_B1SPI1_RCLK
25GND
2764GPIO2_A0I2C2_SDA
2974GPIO2_B2SPI2_TXDI2C6_SCL
3173GPIO2_B1SPI2_RXDI2C6_SDA
3376GPIO2_B4SPI2_CSn
35133GPIO4_A5I2S1_LRCK_TX
37158GPIO4_D6
39GND
左列の端子配列と代替機能

端子番号GPIO番号GPIO機能1機能2
2+5.0V
4+5.0V
6GND
8148GPIO4_C4UART2_TXD
10147GPIO4_C3UART2_RXD
12131GPIO4_A3I2S1_SCLK
14GND
16154GPIO4_D2
18156GPIO4_D4
20GND
22157GPIO4_D5
2442GPIO1_B2SPI1_CSn
26ADC_IN0
2865GPIO2_A1I2C2_CLK
30GND
32112GPIO3_C0SPDIF_TXUART3_CTSn
34GND
36132GPIO4_A4I2S1_LRCK_RX
38134GPIO4_A6I2S1_SDI
40135GPIO4_A7I2S1_SDO
右列の端子配列と代替機能

端子番号3,5,28,29,31はSBC内部でプルアップされています。内部のプルアップ抵抗は4.7kΩ、電源電圧は3.0Vです。

eMMCソケット

Radxa ROCK 4C+はmicroSDカードより高速で信頼性に優れたeMMCをOS用またはデータ保存用のストレージとして使用可能です。ROCK 4C+のeMMCは交換可能なソケット式コネクタで、工業用eMMCモジュールと同じピン配列、フォームファクタです。

カメラおよびディスプレイのインタフェース

Radxa ROCK 4C+は2レーンのMIPI-CSI(カメラ用)と4レーンのMIPI-DSI(ディスプレイ用)コネクターを搭載しています。どちらのコネクターも0.3mmピッチです。Raspberry Pi等で使われている1.0mmピッチのFPCのカメラやディスプレイを接続するには、ピンピッチの変換が必要ですのでご注意ください。

USB

Radxa ROCK 4C+は2個のUSB2.0対応Type-Aポートと2個のUSB3.0対応Type-Aポートを搭載しています。USB3.0ポートのうち上段の1ポートはOTGとHOSTの切替が可能です。ソフトウェアでOTGデバイスモードに設定できます。
4ポート合計の電流供給能力は約2.8Aです。2個のUSB2.0ポートと下段のUSB3.0ポートは電源ICを共有しており、3ポート合計の電流供給能力は1.44Aです。
USBポートはすべて各ポートが直接、SoC(RK3399-T)に接続されています。余計なルーティングや変換処理がないため、高速な動作が期待できます。

HDMI

Radxa ROCK 4C+は2個のmicro HDMIポートを搭載しています。2つあるうちの1つのHDMIポートは、リモコンの操作情報を伝達するHDMI CECおよび最大4k60fps出力に対応しています。もう1つのHDMIポートは最大2k60fps出力が可能です。

オーディオジャック

Radxa ROCK 4C+はステレオミニプラグ(直径3.5mm)を通して高音質なオーディオ出力が可能です。32Ωのヘッドホンを直接駆動できます。

温度範囲と発熱

推奨動作周囲温度範囲は0℃から50℃です。
アイドリング時や低負荷時の発熱を減らすため、Radxa ROCK 4C+はCPUの動作クロックと電圧を自動的に調整します。CPU内部温度が85℃を超えないように動作クロックと電圧の両方が制御されます。
ウェブページの読み込みなど一時的な高い負荷と定常的に軽い負荷であれば、ROCK 4C+は冷却部品を追加せずに安定して動作できるよう設計されています。高温環境下でも最大限のパフォーマンスを発揮したい場合は冷却部品を追加してください。

冷却ファンコネクター

Radxa ROCK 4C+は2ピン 1.25mmピッチのヘッダーを搭載しており、5V駆動の冷却ファンを接続可能です。冷却ファンはPWM制御(速度フィードバック無)が可能です。

長期供給

Radxa ROCK 4C+は少なくとも2029年9月までの供給が保証されています。

サポート

Radxa WikiもしくはRadxaフォーラムを参照してください。

出典

下記ドキュメントを参照しています。間違いにお気づきの際はコメント欄よりお知らせください。
Radxa ROCK 4C+ Product Brief Revision 1.5, 2022-10-26