概要

Radxa ROCK 5 Model A(ROCK 5A)は、コンパクトなフォームファクタを維持したまま、性能が大幅に向上した次世代SBC(シングルボードコンピュータ)です。ハイスペックな処理能力と高い信頼性が求められる用途に最適です。
ROCK 5AのメモリはLPDDR4Xをサポートします。メモリ容量は以下のバリエーションがあります。

  • 4GB
  • 8GB
  • 16GB
  • 32GB

特徴

ハードウェア

  • SoC: Rockchip RK3588S
    • ArmのDynamIQアーキテクチャを採用したオクタコア(8コア)構成
    • 4コア Cortex-A76 @2.2/2.4GHz + 4コア Cortex-A55 @1.8GHz
    • 3コア Cortex M0
  • GPU: Arm Mali G610 MC4。下記APIをサポート。
    – OpenGL ES1.1, ES2.0, ES3.2
    – Vulkan 1.1, 1.2
    – Open CL 1.1, 1.2, 2.2
  • 最大6TOPsの機械学習用NPU搭載。INT4/INT8/INT16/FP16/BF16/TF32演算のアクセラレータ。
  • メモリ: 64bit LPDDR4X(4GB/8GB/16GB/24GB)
  • ディスプレイ: 3系統の映像出力。micro HDMIx2、MIPI DSI
  • H.264/H.265/AV1/AVS2のデコード対応 (最大8K/60p)

インタフェース

  • USB Type-Cポート:PD 2.0対応
  • microSDカードスロット
  • micro HDMI x2(最大8k60pおよび4K60p対応)
  • USB2 Type-A x2
  • USB3 Type-A x2(上側1ポートはUSBホスト/OTG対応)
  • Gigabit Ethernet x1(PoE HATオプションあり)
  • M.2 E Key(PCIe2.1 x1レーン)
  • eMMCモジュールコネクター(e.MMC 5.1規格)
  • カメラ入力用MIPI CSI(1×4レーンもしくは2×2レーン)
  • 映像出力用MIPI DSI(4レーン)
  • その他
    • RTCバッテリー用コネクター
    • PWMファン用コネクター
    • 電源ボタン
    • リカバリーピン
    • マスクROMピン
  • GPIO 40ピン(2.54mmピッチ)。下記の各種インタフェースに対応。
    • UART x5
    • SPI x3
    • I2C x6
    • PCM/I2S x1
    • SPDIF x2
    • PWM x7
    • CAN x1
    • ADC x1
    • GPIO x27
    • 5V電源 x2
    • 3.3V電源出力 x2

ソフトウェア

  • Arm v8-A ISA
  • Debian/Ubuntu Linux対応
  • Android 12対応
  • OpenFyde(Chromium OS派生)対応
  • RKNPU2(NPU用ライブラリ)
  • Linux/Android向けハードウェア制御ライブラリ

本体寸法

基板の外形寸法は85mmx56mmです。Raspberry Pi 4B(85mmx56mm)と同じです。

電気的特性

電源の要求スペック

ROCK 5Aは幅広い電圧範囲で駆動可能です。電源はM.2 SSDを装着しない場合は24W以上、M.2 SSDを装着する場合は30W以上を推奨します。

  • USB Type-C PD2.0(9V/2A, 12V/2A, 15V/2A, 20V/2A)
  • USB Type-C:5V〜20V
  • GPIO 2ピンと4ピンへの5V供給

GPIO電圧

GPIO電圧耐圧
All GPIO3.3V3.63V
SARADC_IN51.8V1.98V

動作条件

ROCK 5Aは周辺温度範囲:0℃〜50℃での動作を想定して設計されています。

処理内容に応じて最適なプロセッサコアを自動的に切り替えるArm big.LITTLEアーキテクチャにより、発熱の低減と高速処理を実現できます。

ROCK 5Aは高性能なモバイル機器向けSoCを採用しており、バッテリー駆動時など電源容量が限られた環境でも長時間動作できます。たとえばテキスト編集や音楽再生など負荷が軽い処理のときは省エネ性能に優れたコアやハードウェアアクセラレーターを活用し、高性能コアを寝かせておくことで発熱を低減できます。

ROCK 5AのSoC(RK3588S)はサーマルスロットリング機能を搭載しています。SoCの内部温度が80℃を超えると動作クロックを落として発熱を抑えます。常に高い処理性能が求められる用途で使う場合はヒートシンクや空冷ファンなど冷却装置を追加してください。SoC内部温度を80℃以下に維持できればサーマルスロットリングを回避できます。

ペリフェラル(周辺機器)

GPIOインタフェース

ROCK 5Aは40ピンのGPIO拡張ヘッダーを搭載しています。Raspberry Piと同じピン配置となっているため、SBC用に開発された様々なアクセサリーと互換性があります。

ネットワーク

1GbEを搭載しています。外付のPoE HATにも対応します。

eMMCソケット

ROCK 5AはmicroSDカードより高速で信頼性に優れたeMMCをOS用またはデータ保存用のストレージとして使用可能です。ROCKシリーズのeMMCは交換可能なソケット式コネクタで、工業用eMMCモジュールと同じピン配列、フォームファクタです。
容量8GB以上のeMMCが必要ですのでご注意ください。

カメラおよびディスプレイのインタフェース

ROCK 5Aは4レーン(分割して2レーンx2系統も可)のカメラ用MIPI-CSIと、4レーンのディスプレイ用MIPI-DSIのコネクターを搭載しています。

USB

ROCK5AのUSB Type-Cポートは電源供給専用です。

2個のUSB2.0対応Type-Aポートと2個のUSB3.0対応Type-Aポートを搭載しています。USB3.0ポートのうち、上側1ポートはOTGとHOSTの切替が可能です。
4ポート合計の電流供給能力は最大2.8Aです。

HDMI出力

ROCK 5AはmicroHDMI出力を2個、搭載しています。どちらのHDMIポートもリモコンの操作情報を伝達するHDMI CECとHDMI 2.1に対応しています。片方は最大8k60p、もう片方は最大4k60p出力が可能です。

HDMI入力

ROCK 5AにHDMI入力ポートはありません。HDMI入力が必要な場合はROCK 5Bを選択してください。

オーディオジャック

ROCK 5Bはマイク入力付ステレオミニプラグ(直径3.5mm、4極)を搭載しています。32Ωのヘッドホンを直接駆動できます。

M.2コネクター

ROCK 5BはM.2コネクターを1つ搭載しています。

  • M.2 E-Key(PCIe2.1 x1レーン)
  • Type2230
  • USB,SATA,WiFi6モジュール等に対応

冷却ファンコネクター

ROCK 5Bは2ピン 1.25mmピッチのヘッダーを搭載しており、5V駆動の冷却ファンを接続可能です。冷却ファンはPWM制御(速度フィードバック無)が可能です。

長期供給

ROCK 5Aは2033年9月までの供給がRadxaによって保証されています。

サポート

Radxa WikiもしくはRadxaフォーラムを参照してください。

ROCKシリーズの購入は、OKdo国内正規代理店のIoT本舗オンラインストアをご利用ください。
ROCK 5 Model A – IoT本舗 オンラインストア

出所

下記ドキュメントを参照しています。間違いにお気づきの際はコメント欄よりお知らせください。
Rock5/5a – Radxa Wiki
ROCK 5 Model A Product Brief v1.2