ROCK4の初期設定や基本的な使い方について解説します。

ROCK4シリーズ

ROCK 4C Plus(4C+)とROCK 4SEという2つのモデルを販売しています。
4C+と4SEは技適取得済みです。
ROCK 4シリーズには、4C+と4SE以外にも、4A/4B/4C/4A+/4B+というモデルもあります。4A/4B/4C/4A+/4B+の技適取得予定はありません。

ROCK PiとROCKの違い

ROCK PiとROCKという名称が混在していますが、どちらも同じ製品です。
Radxa社が開発するラズベリーパイ互換のシングルボードコンピュータ「ROCK」は、当初は「ROCK Pi」という名前でした。
2022年に4C+と4SEを発売するタイミングで、製品シリーズ名を「ROCK」へ変更しました。

eMMCモジュール

eMMCとは、超小型のSDDのようなストレージです。microSDカードより長期使用時の信頼性に優れており、読み書きもパフォーマンスも優れています。

4C+と4SEは着脱式のeMMCモジュールに対応しています。メモリーカードと同じように取り外しできるため、変換アダプターを使ってPCからOSイメージを書き込んだり、使用目的にあわせて最適なストレージ容量を選択可能です。

参考:ROCKシリーズ用eMMCモジュールのコネクタ仕様

電源

ROCK 4SEのUSB Type-Cポートは入力電圧6V〜12に対応しています。
USB PD(Power Delivery)もしくはQC(Quick Charge)に対応した電源を推奨します。
USB PD 2.0、QC 2.0ともに9V/2Aと12V/2Aに対応しています。
ROCK 4SEは5V電源でも起動できますが、高負荷時の動作が不安定になる可能性があるため、非推奨です。

ROCK 4C+は5V/3AのUSB電源を推奨します。外付HDDなど大電流を必要とする周辺機器を接続する場合は5V/5AのUSB電源を推奨します。

4C+と4SEの違い

ROCK 4C+と4SEの主な違いは以下の通りです。

  • 電源:4C+は5Vのみ。4SEはPD対応(最大12V)。
  • ストレージ:4SEはNVMe SSDを搭載可能。
  • HDMI:4C+はmicroHDMIが2ポート。4SEはフルサイズHDMIが1ポート。
  • オーディオジャック:4C+はステレオ出力のみ。4SEはステレオ出力+マイク入力に対応。
  • カメラI/F(MIPI CSI-2):4C+は0.3mmピッチ。4SEはラズパイ4Bと同じ1mmピッチ。
  • WiFi/BT:4C+はアンテナ外付。4SEはアンテナ内蔵。
  • リアルタイムクロック(RTC):4SEはRTC用バッテリーコネクタあり。
  • 部品レイアウト:4C+はラズパイ4Bとの互換性を重視。4SEは冷却性能を重視し、SoCを基板裏面に実装。

OSのインストール

ROCK4シリーズのOSイメージファイルを下記ページからダウンロードしてください。
Rock4/downloads – Radxa Wiki

ダウンロードしたOSイメージファイルをmicroSDカードもしくはeMMCモジュールに書き込んでください。
OSイメージファイルを書き込むツールはbalenaEtcherがおすすめです。
EtcherはWindows/Linux/Macに対応しており、かんたんな操作でOSイメージファイルを書き込めるフリーソフトです。
参考:Etcher で Linux のインストールメディアを作る。 | PC-FREEDOM

PCからeMMCモジュールを読み書きするには、変換アダプターが必要です。
変換アダプターは、安価なmicroSDタイプと高速なUSBタイプの2種類があります。開発業務で頻繁に書き換える場合は、USB変換アダプターがおすすめです。

デバッグ

マスクROMモード

適切なブートローダーや起動ディスクが見つからない場合、デフォルトのROCK4はマスクROMモードで起動します。
マスクROMモードで起動すると、ROCK4のUSB OTBポート(青色のUSB3.0ポートの上段)とPCをUSBケーブルでつなぐことで、ROCK4はUSBデバイスとして認識されます。
ROCK4の識別IDは2207:330c(ベンダーID:2207、プロダクトID:330c)です。

シリアルコンソール

ROCK4はデフォルトでシリアルコンソールが有効となっています。

関連リンク

最新情報は開発元のRadxa社のドキュメントをご確認ください。
Rock4/getting started – Radxa Wiki