ROCK 5BのSPIフラッシュを初期化する方法をご紹介します。
ブートローダーの書き換え失敗などで、OSが起動できなくなった場合でも、SPIフラッシュを初期化することで工場出荷時のデフォルト状態に戻すことができます。

OSが起動できる場合

ROCK 5BのOSが起動できる場合は、ddコマンドでの操作をおすすめします。
コマンドラインからSPIフラッシュを初期化する手順は下記ページをご確認ください。
ROCK 5BをNVMe SSDから起動する方法

OSが起動できない場合

ROCK 5Bに搭載されたSoC「RK3588」は、最初にSPIフラッシュのブートローダーを確認します。
そのため、SPIフラッシュのブートローダーが正しく設定されていないと、OSが起動できない状態となってしまいます。

OSが起動できない状態になったROCK 5BのSPIフラッシュを初期化するには、マスクROMモードを使用します。

マスクROMモードでSPIフラッシュを初期化

マスクROMモードでSPIフラッシュを初期化する手順は以下の通りです。

  1. PC(Windows/Linux/Mac)に設定ツールをインストールする
  2. ROCK5BのマスクROMボタンを押したまま、PCと接続する
  3. 設定ツールからSPIフラッシュを初期化する

設定ツールのインストール

ここではWindowsでの設定例をご紹介します。LinuxやMacでの設定手順はRadxa社のドキュメントをご確認ください。

まず、下記ページより「RKDevTool」をインストールしてください。「RKDevTool」はPCからROCK5Bの設定を書き換えできるツールです。
Rock5/install/rockchip-flash-tools – Radxa Wiki

つぎに、同じページから「RKDriverAssistant.zip」をダウンロードし、ドライバーをインストールしてください。

最後に、下記ページから「RK3588 loader」をダウンロードしてください。「RK3588 loader」は、USB経由で設定を書き換えるための補助ツールです。
Rock5/install/spi – Radxa Wiki

ROCK5BをマスクROMモードで接続する

ROCK5BのマスクROMボタンを押したまま、ROCK 5BのUSB Type-CポートとPCのUSBポートをつなぎます。PCに接続されたら、マスクROMボタンを離します。

ROCK5BのマスクROMボタンは、基板オモテ面の左上(SoCが実装された側をオモテ面、オーディオジャックを左下とする前提)にあります。

マスクROMボタンとUSB Type-Cポートの位置

設定ツールからSPIフラッシュを初期化する

RKDevTool.exeを起動します。ROCK5BがマスクROMモードで認識されていることを確認してください。

RKDevToolの操作画面イメージ

“Advanced Function”タブをクリックしてください。
“Boot”欄に、さきほどダウンロードした「RK3588 loader」(ファイル名:rk3588_spl_loader_xxx.bin)を指定してください。
ファイルを指定したら、”Download”ボタンを押してください。

続いて”EraseAll”ボタンを押すと、SPIフラッシュの初期化作業が始まります。
初期化が完了したら、”ResetDevice”ボタンを押してください。

以上の手順で、SPIフラッシュの初期化は完了です。
ROCK 5Bを再起動すると、microSDもしくはeMMCからOSを起動できるようになります。

関連リンク

最新情報は開発元のRadxa社のドキュメントをご確認ください。
Rock5/install/spi – Radxa Wiki