ROCK 5B(ROCK 5 model B)で、NVMe SSDからOSを起動する方法をご紹介します。
ROCK 5Bは、SPIフラッシュにブートローダー(bootloader)を書き込むだけで、NVMe SSDから起動できるようになります。
目次
SPIフラッシュの書き換え
ROCK 5BのSPIフラッシュを書き換えるには、以下の手順で設定します。
- microSDカードもしくはeMMCからLinuxを起動する
- SPIフラッシュを初期化する
- SPIフラッシュにブートローダーを書き込む
microSDカード/eMMCから起動する
microSDカードもしくはeMMCの場合、接続するだけで起動できます。
microSD/eMMCへのOSインストール方法の説明は省略します。
SPIフラッシュを初期化する
SPIフラッシュを初期化するイメージファイルを下記URLよりダウンロードします。
https://dl.radxa.com/rock5/sw/images/others/zero.img.gz
# 初期化用イメージファイルをダウンロード
wget https://dl.radxa.com/rock5/sw/images/others/zero.img.gz
# ハッシュ値を確認
# ac581b250fda7a10d07ad11884a16834 zero.img.gzと一致すればOK
md5sum zero.img.gz
# イメージファイルを解凍
gzip -d zero.img.gz
# ハッシュ値を確認
# 2c7ab85a893283e98c931e9511add182 zero.imgと一致すればOK
md5sum zero.img
初期化用イメージファイルをSPIフラッシュに書き込みます。
# SPIフラッシュのデバイス名を確認
# /dev/mtdblock0が返ってくればOK
ls /dev/mtdblock*
# SPIフラッシュを初期化(書き換え完了まで5分程度かかります)
sudo dd if=zero.img of=/dev/mtdblock0
# 書き換え結果を確認
# イメージファイルとSPIフラッシュのハッシュ値が一致していればOK
sudo md5sum /dev/mtdblock0 zero.img
ブートローダーを書き込む
ブートローダーをRadxaウェブサイトからダウンロードします。
最新のブートローダーを下記ページから選択してください。
Rock5/install/spi – Radxa Wiki
ブートローダーの保存フォルダ
Radxaが提供するブートローダーは2種類あります。通常はnormal bootloaderを選択してください。オプションとしてArmbian用ブートローダーも用意されています。
以降は下記URLのブートローダーを使う例を紹介します。
https://dl.radxa.com/rock5/sw/images/loader/rock-5b/release/rock-5b-spi-image-gbf47e81-20230607.img
# 任意のブートローダーをダウンロード
wget https://dl.radxa.com/rock5/sw/images/loader/rock-5b/release/rock-5b-spi-image-gbf47e81-20230607.img
ブートローダーをSPIフラッシュを書き込みます。
# SPIフラッシュのデバイス名を確認
# /dev/mtdblock0が返ってくればOK
ls /dev/mtdblock*
# SPIフラッシュを書き換え(書き換え完了まで5分程度かかります)
sudo dd if=rock-5b-spi-image-gbf47e81-20230607.img of=/dev/mtdblock0
# 書き換え結果を確認
# ブートローダーとSPIフラッシュのハッシュ値が一致していればOK
sudo md5sum /dev/mtdblock0 rock-5b-spi-image-gbf47e81-20230607.img
以上で設定完了です。再起動するとNVMe SSDから起動可能となります。
補足:ブートローダーの優先順位
ROCK 5Bに搭載されたSoC「RK3588」は、最初にSPIフラッシュのブートローダーを確認します。
SPIフラッシュに有効なブートローダーが無い場合、マイクロSDカードのブートローダーを確認します。
マイクロSDカードに有効なブートローダーが無い場合、eMMCのブートローダーを確認します。
出荷時のデフォルト状態では、SPIフラッシュのブートローダーが書き込まれていないため、NVMe SSDから起動するにはSPIフラッシュの書き換えが必要です。
関連リンク
最新情報は開発元のRadxa社のドキュメントをご確認ください。
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