Sipeed Maixシリーズの開発環境に関する情報です。

はじめに

Maixシリーズはサイズが異なる複数のラインナップがありますが、
いずれのボードもSoCにK210を採用しています。
「K210用の〜〜」という表現は、Maixシリーズで共通して使えるという意味になります。

ハードウェア

ディスプレイ

Maixシリーズのボードには液晶ドライバーICとしてST7789が搭載されており、デフォルトの解像度設定は320×240です。

カメラ

OmniVision製イメージセンサーOV2640をデフォルトでサポートしています。
ボードに付属されているカメラも0V2640を使っています。
SiPeedでは焦点調整型魚眼レンズとより小型な固定焦点レンズの2種類をオプションとして用意しています。

MicroSDカード

高速なファイルシステムが必要な場合はMicroSDカードを使ってください。
ボードの内蔵フラッシュメモリも使えますが、読書速度はとても遅いです。

SPIモードで通信します。
相性問題を回避するため、SDカードはできるだけ高速で有名ブランドの製品を選んでください。
Class10以上を推奨します。

デバッガ(オプション)

K210はJTAGデバッガに対応しています。

Maix GoはSTM32チップが搭載されており、デバッガを別途購入する必要がありません。
STM32のファームウェアはCMSIS-DAP版とopen-ec版の2種類があります。
現時点でJTAGデバッグをサポートしているのはCMSIS-DAP版だけです。
STM32のファームウェアを更新するにはST-Linkが必要です。
デフォルトのファームウェアはopen-ec版です。

動作環境のセットアップ

USBドライバー

ボードに搭載されているUSB−シリアル変換ICに対応するUSBドライバーをインストールしてください。

CH340

旧版のMaix BitのUSB−シリアル変換ICはCH340です。
Linuxならデフォルトで対応しているはずです。
Windowsならデバイスマネージャーからダウンロードできます。

CH552

Maixduinoおよび新版のMaix BitのUSB−シリアル変換ICはCH552です。
FTDI社のウェブサイトからFT2232ドライバーをインストールしてください。

STM32

Maix GoのUSB−シリアル変換ICはSTM32です。
Linux、Windowsともにデフォルトで対応しているはずです。

ファームウェア

ボード本体のファームウェアはKflash GUIというツールで更新します。
Kflash GUIはWindows, Linux, Mac OSのマルチプラットフォーム対応したソフトです。

K210 SDK

K210用のSDK(ソフトウェア開発キット)です。
具体的には以下のソフトウェアが提供されています。

  • MaixPy: K210用に移植したMicroPythonです。
  • Maixduino: Arduino IDEおよびPlatformIO用の開発環境です。
  • Kendryte SDK: コアとなるSDKです。MaixPyやMaixduinoもKendryte SDKがベースです。
  • RT-Thread: 中国発のRTOSです。K210もサポートされています。
    

MaixPy

MaixPyとはMicroPythonをK210用に移植したものです。
MicroPythonはマイコンで動くPythonです。
分かりやすいコードで効率的に開発できます。

ハンズオン

M5StickVに開発環境をインストールしてLチカするまでの手順をM5StickVクイックスタートガイドにて紹介します。
Maixシリーズもほぼ同じ手順です。

各ソフトウェアの最新ダウンロード先はSipeed Maixシリーズの便利リンク集にまとめています。