M5StickVはmicroSDカードとの相性がシビアです。
相性問題を回避する方法と原因を考察します。

相性問題とは

microSDカードが故障しているわけではないのに、
M5StickVで使うと動かない、デジカメで使うと動くという現象です。
たまに不安定な場合からまったく動かない場合まで様々です。
M5StickVのバッテリー残量が少ない状態だと特に起こりやすくなっています。

回避方法

M5StickVで動作確認したSDカードの情報がGoogleスプレッドシートにまとめられています。(ミクミンPさん取りまとめ)

原因推測

ローバッテリー時に書き込み失敗が起こりやすいことから、瞬間的な電圧低下が直接の原因だと思われます。

M5StickVの電源はAXP192という電源管理ICを通して供給されています。
AXP192はM5StickCでも採用されており、こちらのページの情報が参考になります。

対策1: USBから電源供給する

5V電源をM5StickVの内蔵バッテリーではなく、USB端子経由で充電器やモバイルバッテリーから安定的な5V電源を供給することで、瞬間的な電圧低下を緩和する効果が期待されます。
(AXP192の負荷過渡応答性能にも依存します)

M5Stackのツイッターによると、電源ICを大電流に対応できるものに改良することも考えているそうです。

対策2: 内蔵バッテリーをフル充電する

電源管理IC「AXP192」の負荷を下げるという観点で、内蔵バッテリーをフル充電しておくことも効果的です。

M5Stick満充電状態

M5StickVの内蔵バッテリーはフル充電すると4000mV程度まで上昇します。
満充電状態になると電源ボタンを長押ししても電源オフにできなくなり、再起動するようになります。
通常は満充電になる手前で充電を止めておくほうが便利です。

なかなか満充電にならない場合は過熱保護がかかっている可能性があります。
40℃あたりを超えてくると充電電流を絞る制御になっているようです。(充電スピードが極端に遅くなります。)
M5StickVは小型ですし液晶が付きっぱなしなので、高温になりやすいです。
扇風機やUSBファンなどで40℃以下になるように冷やしてあげてください。
内蔵バッテリーの電圧や温度の情報は下記ページのbatterymonitor.pyで取得できます。
GitHub – mongonta0716/m5stickv-tips: M5StickVのプログラム色々